京都が誇る伝統工芸京都に息づく最高峰の手技
※現在、上記の工房では、個人的な見学を受け付けておりません。ご了承ください。
世界でここだけが作る魔鏡の神秘に触れる
山本合金製作所
江戸末期創業の和鏡(わきょう)を製作する工房。和鏡とは、鋳型に流し込んで固めた銅をやすりで磨いて作る鏡で、明治期にガラス製の鏡が登場する以前の日本では一般的に使われていた。現代では主に「神鏡」として神社や寺に納められている。神鏡のほか、「魔鏡(まきょう)」と呼ばれる、光を当てるとその反射光に背面の装飾が映し出される鏡も手掛けており、5代目の山本晃久さんは魔鏡の技を受け継ぐ「日本最後の鏡師」と言われている。その神秘的な構造は多くのアーティストからも注目され、インスタレーションなどにも使われている。
最高峰の大仏師の技と繊細な截金の技法を
間近で見る
平安佛所
仏師・江里康慧氏と、截金師・江里朋子氏の親子が営む仏像制作工房。江里康慧氏は仏像の総 棟梁である仏師の称号「大仏師号」を三千院と大本山瀧光徳寺から受けている。大仏師号を授かる仏師は全国でも 10名足らずと言われており、複数の寺院から受けているのは極わずか。江里朋子氏は、母で截金(きりかね)の人間国宝であった江里佐代子氏よりその技を受け継ぐ。截金とは金箔を焼き合わせて細く切ったものを貼り繋いで繊細な文様を表現する技法で、古代より仏像の荘厳性を高めるために用いられてきた。現在も限られた少数の截金師により伝承されている希少な技。
織物を美術品の域にまで高めた至高の技に出会う
龍村美術織物 烏丸工場
1894年創業。130年の歩みの中で、正倉院の宝物裂や名物裂の復元から、新しい感覚を織り込んだ独創的な織物まで、数々の織物を世に生み出し、織物を美術品の域にまで高めてきた。その高いデザイン性はクリスチャン・ディオールやフェンディなど海外のデザイナーも魅了し、オートクチュールなどの作品に使用されている。名だたる劇場の緞帳、山車や神輿を飾る懸装品、和装の帯地のほか、カーテンやドレス地などのファブリックまで幅広く手掛け、ゆるぎない名声を博している。
京都の風土から生まれる色の無限性に浸る
福田喜(福田工芸染刺繍研究所)
1927年創業。きもの地の染、縫(刺繍)、箔を一貫生産している工房。京都のきもの生産は専門の職人による分業制が一般的だが、先代で刺繍の分野で初めての人間国宝に認定された福田喜重氏が、「自分の思い通りの色を出したい」と染も自社で手掛けるようになった。色の出方は温度や湿度の影響で変わるため同じ色は二つとなく、染め上がった色によって柄付けを決める。空気感や奥行を感じさせる美しいぼかし染を得意とし、地の色と柄や刺繍がお互いを引き立て合うように計算された控えめで上品な作品が多い。